2017年02月08日 ニュースブログかるた全般囲碁・将棋花札

皆さんこんにちは。

広報の藤澤です。

よろしくお願い致します。

 

早いもので、もう2月です。

京都の梅小路公園の梅の木にもつぼみが付き、受験の神様『菅原道真公』を祀る 北野天満宮の梅もそろそろでしょうかね。

 

ところで以前にも触れた百人一首の文言について、最近もお問い合わせがありましたので、おさらいと言いますか整理してみました。

 

質問の内容は『大石天狗堂様の全日本かるた協会公認の百人一首には、「ありあけのつきをまちいてつるかな」の取り札の表記が下記の2種類あるようです。

ありあけのつきをまちいてつるかな

ありあけのつきをまちいつるかな

 

2種類ある理由はなぜですか?

百人一首の製造メーカーによっても、この札の改行の仕方や文字の省略の有無が違うようですが何かルールがあるのでしょうか?』というものです。

 

具体的には、表題どおり『まちいづ(つ)るかな』と『まちいで(て)つるかな』の部分です。

 

結論から申し上げますと

『新仮名遣い』と『旧仮名遣い』

の二種類の百人一首を現在も製造しているからです。

 

詳しくは、当社ブログにて掲載したものからの抜粋を下記に転載致しましたので、ご参照下さい。

 

 

戦後、国語審議会の告示で百人一首の文言(旧の仮名遣い)に替わり、(新しい仮名遣い)が表記された 『新制かるた』 が提案されましたが、結局元の旧の仮名遣いの百人一首による競技に戻ってしまったようです。

元々競技かるたは始まった頃、関東のカルタ屋(精文館)と関西のカルタ屋(大石天狗堂)の二軒で、競技かるたの製造をしておりました。

その後、関東のカルタ屋は廃業され、全国すべて競技かるたを大石天狗堂が作るようになりました。

その頃、当時大石天狗堂では、百人一首の文言などを研究した、百人一首の 『定本(ていほん)』 を作っていました。

この定本とは、異本の多い古典の誤謬、誤植を検討校正して、類書中の標準となるべき正確さを備えた決定本であり、監修者には、下記の著名な方々がご協力頂きました。

校訂責任者:立命館大学 出雲路教授(いずもじよしかず/出雲路敬和)

校訂指導  :京都大学 吉澤名誉教授(よしざわよしのり/吉澤義則・吉沢義則)

:京都大学 西田名誉教授(にしだなおじろう/西田直次郎)

:京都大学 澤潟教授(おもだかひさたか/沢潟久孝・澤潟久孝)

:國學院大學 武田教授(たけだゆうきち/武田祐吉)

これにより正式な百人一首の文言を決定し、これ以降に製造した当店の全ての小倉百人一首は、定本を元に製造致しました。

しかしこの定本により、関東のカルタ屋製の『競技かるた』と大石天狗堂の『競技かるた』に、文言の違いが出てしまいました。

例えば、21番 素性法師の場合

「そせいほうし」(新)と「そせいほふし」(旧)

「まち出(い)づるかな」(新)と「まち出(い)でつるかな」(旧)

など、取札37枚(70か所)、読札に至っては殆ど全部だったようです。

 

特に今でも多いのが『いづくもおなじ』と『いづこもおなじ』の誤植ではないかという問い合わせです。

勿論、これは誤植ではありません。

しかし、昔からの協会の専任読手さんの中には、昔から詠み慣れた(旧の仮名遣い)のかるたのまま、お詠みになって競技をされておりましたから、替えるとご不便がありました。

関東のカルタ屋(精文館)が競技かるたを作らなくなり、大石天狗堂が全国全ての競技かるたを手掛けて製造する事になった際、『ずっと前の(旧の仮名遣い)の札で詠み方が統一されているので、競技かるたは今まで通りの文言で作ってくれ』とかるた協会様より相談されました。

ですので、かるた会用に製造している商品は、現在の全日本かるた協会になった今でも、前述の理由から文言違いの百人一首を製造しています。

(※弊社の資料より抜粋につき、敬称は省略しております事ご了承下さい)

 

昔の話で、この様な経緯があったことを知る人も少なくなってきましたが、当店の役員や、かるた会のベテランの方にお話をお聞きして、少しでも記録として残せたらと考えております。

 

尚、上記の新仮名遣いとは現代仮名遣いという意味ではありませんし、旧仮名遣いも歴史的仮名遣いという意味ではありません。

現代(2017年現在)の仮名遣いという意味ではなく、弊社が定本を作成した際(定本作成より古い文言)と(定本作成後の文言)の区別の為(旧)(新)ということです。

 

競技かるたの歴史には、以前のブログ転載の通り、現代仮名遣いによる百人一首も提案されたようですが、採用(認知?)はされなかったようですね。

 

この(新)(旧)両方の仮名遣いは、どちらもその後の研究でさらに解釈が変っているかもしれませんが、弊社はそこまで言及してはおりません。

また、弊社の当時の判断や現在の事情に基づき製造しておりますので、他社の文言の解釈とは同一ではありません。

 

【旧仮名遣い】(定本作成より古い文言)↓↓↓

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光琳かるた『まちいで(て)つるかな』129,600円(税込)

 

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吉野『まちいで(て)つるかな』10,800円(税込)

競技かるた標準『まちいで(て)つるかな』5,400円(税込)

 

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きまり字五色二十人一首『まちいで(て)つるかな』1,944円(税込)

 

 

【新仮名遣い】(定本作成後の文言)↓↓↓

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時雨『まちいづ(つ)るかな』16,200円(税込)

桂川『まちいづ(つ)るかな』8,640円(税込)

 

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新・教育用『まちいづ(つ)るかな』3,024円(税込)

染草『まちいづ(つ)るかな』3,024円(税込)

 

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小倉山『まちいづ(つ)るかな』1,620円(税込)

舞楽『まちいづ(つ)るかな』3,240円(税込)

きまり字かるた『まちいづ(つ)るかな』1,620円(税込)

小町『まちいづ(つ)るかな』1,620円(税込)

(※価格の表記は、ブログ作成時の定価や消費税で計算しております)

上記の百人一首のバリエーションがあります。

 

是非、気になる方は、ご確認下さいませ。

 

【シリーズ過去掲載ページ】

大石さんに聞いてみよし!『競技かるたと普通のかるたの違い?』(2018年3月7日)

大石さんに聞いてみよし!『将棋の駒って、何故高価なの?』(2018年2月22日)

大石さんに聞いてみよし!『坊主めくりに蝉丸は含みますのん?』(2018年2月19日)

大石さんに聞いてみよし!『収録和歌は、何首?』(2018年2月17日)

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大石さんに聞いてみよし!『花札の鬼の図柄は何?』(2018年2月6日)

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大石さんに聞いてみよし!『和歌が元の和歌と違うのは何故!』(2016年7月11日)

 

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