大石さんに聞いてみよし!『なぜ光札というの?』
皆さんこんにちは。
広報の藤澤です。
宜しくお願い致します。
よく、百人一首や花札を扱うお店という事で、ご質問なども頂くのですが、今回も難解なご質問を頂きました。
『「光」、「種」、「短冊」、「カス」という用語は、花札に用いらる切っ掛けは何でしょうか?「短冊」は見てわかりますが、ほかの札の種類の名の元を教えていただけますでしょうか?「種」といえば、元々何の意味を含むつもりでしたでしょうか。本物の種か、それより隠喩的な意味でしょうか?「光」の札には2枚にしか実際に光っている物が描かれていなませんので、なぜ「光」という用語なのでしょうか?』
と言うご質問です。
ご質問頂きありがとうございました。
なるほど、花札ならではの用語の由来についてですね。
しかし、言い訳のように聞こえる事を恐れず申し上げますと、花札を作るメーカーだから歴史も詳しいというのは、そうでもないので、あくまで一つの例と言いますか、参考程度にお聞き頂けたら、大変有難く存じ上げ奉るわでございまして……。
どこぞの政治家の謝罪会見のような答弁をしているのであります。
これら花札特有の札の名は、描かれた物の名称や状態を表しているのではなく、その札の役割を表しているのだと思います。
■「光(光札/ひかりふだ/松に鶴、桜に幕、芒に満月、柳に小野道風、桐に鳳凰の5枚/すべて揃うと五光とも言います)」は、Light、Laser、Flash、Shinyと言った、明るさの意味ではなく、Majestyに近い意味の光だと思います。値打ちがあるとか、Aランクというような事でしょう。
■「種(種札/たねふだ/五光以外の生き物が描かれている札9枚)」は、10点札の総称で猪鹿蝶の3枚もこの中に含まれています。そして、手役で(タネ)というのもあるようで、10+10=20点ではなく、札が増えるごとに(+1)になるようです。10点札をタネと呼ぶのは、そこから出来た名称かもしれません。
例)
10+10=21点
10+10+10=32点
10+10+10+10=43点
■「短冊/たんざく/字の書かれた赤色の短冊札3枚、青い短冊札3枚、字のない赤い短冊札4枚の計10枚」
■「カス」は、1点札の総称で、食べカスや残りカスのカスと同じ意味だと思います。良い物を取り除いた残り分、つまりダストの意味だと思います。
また、ローカルルール(関東や関西)の差でも、色々な説があるでしょうから、これから研究していきます。
と回答しましたところ、さらなるご質問を頂戴しました。
『タネの説明は特に興味深いです。手役の「タネ」ですが、その一点増えるルールは「タネ」という単語自体にどのように結び付けられているのでしょうか?』
つまり、どうして1点づつ増えるルールの役名をタネにしたのか?という事ですね。
ここで出て来るタネ(種/seed、stone、pip、pit)は、1から複数に変化する最初の一つという意味があり、PrincipalやAtomが近い意味だと思います。
(違ったら申し訳ありません)
よく新しく使い始めた財布や貯金箱に、最初に入れておく硬貨の事を、タネ銭(たねせん)を入れると言います。
これも、外からお金を呼び込み膨らむようにとする日本ならではの風習です。
余談ですが江戸時代に、倒語(とうご)という言葉遊びが流行ったそうです。
倒語とは、言葉を反対にして読む言葉で、「寿司ネタ」のネタや「漫才のネタ」のネタも、元はタネの倒語だと思います。
意味を想像すれば、なるほどという気がします。
花札が大きく開花したのも、江戸時代ですから、あながち間違っていないと思います。
色々書きましたが、謎がさらなる謎を呼び、話が尽きません。
今日はこのへんで。
#花札の光札
#倒語
#新しいも、あらたしいの倒語
#種札