2013年07月12日 ニュースブログかるた全般花札

みなさんこんにちは、大石天狗堂の広報Fです。

よろしくお願い致します。

 

さてさて、花札シリーズ第二弾として取り上げるのは、7月の札『萩に猪』です。

 

花札は月ごとに4枚ずつを花で表し、その月の高得点札には特徴のある絵柄が描かれています。

この高得点札の中の七月の札は(萩に猪)です。

 

なぜ(ハギとイノシシ)が、セットなのでしょうか?

では、この二つの組み合わせを紐解く前に、それぞれの特徴などを観ていきましょう。

 

萩といえば、『マメ科の植物で秋の七草のひとつ』でも有名です。

また『万葉集で最も良く詠まれたテーマの花』でもあり、後の世に詠まれた和歌や俳句に大きな影響を与えたのではないでしょうか。

さらには、『根に根粒菌がいるので痩せた土地でも良く育つ』など日本人が身近に感じる花として親しまれてきました。

それに、あまり知られていませんが、邪気を払う魔除けの植物とされており、萩の幹(太い部分)を使い箸にして宮中行事の十五の節句等にも使われていたそうです。

成長期の萩の枝は、しなやかですが、枯れた状態だと硬くなり、箸として十分な強度があったようです。

 

 

一方の猪はというと、『摩利支天(武家の崇拝する戦いの神)の使い=勝負に勝つ』として摩利支天同様、大切にされました。

戦国時代、毛利元就や山本勘助も信仰していました。

大河ドラマ風林火山の作中でも、山本勘助が摩利支天の首飾りを大切にしているシーンが出てきます。

また、楠木正成や徳川家康は、摩利支天の像を、自分の兜の中に納め出陣したそうです。

また『猪突猛進=ひとつの物事に対して夢中で、かつ猛烈な勢いで、突き進むこと』から、勢いを良しとする職業や、賭け事などにも縁起の良い動物として大切されました。

『猪は多産で縁起が良い=子孫繁栄』など縁起が良い動物として古くから知られていました。

余談ですが、京都御所の西側に足腰の健康祈願と、子宝・安産祈願の神として有名な、いのしし神社こと『護王神社』があります。

御所のすぐそばですので、是非お参りしてみて下さい。

 

このように(萩と猪)の組み合わせは、縁起が良いように感じますが、

他の組み合わせでも別に良かったのではないでしょうか?

 

 

色々調べるうちに、このような一文が目に付きました。

 

【和歌こそ なほをかしきものなれ。あやしの賤(しづ)・山がつの所作(しわざ)も、いひ出でつれば面白く、恐ろしき猪(い)のししも、「臥猪の床(ふすどのとこ)」といへば、やさしくなりぬ】

これは、吉田兼好の徒然草・第十四段の原文です。

 

古来、萩=臥猪の床(ふすどのとこ)と知られていました。

(ふすいのとこ)と読んでいるものもあり、本来はどっちなのでしょう?

 

臥猪の床とは、猪の寝所のことで、凶暴な野生の獣も萩や萱を倒して、寝床にして身を休めるという事です。

 

そこから転じて【萩と臥猪】は(優しげで美しい物)と(野生で荒々しい物)の

対比を表し、和歌などで調和のとれた情景として使われるようになりました。

 

これを題材にして、多くの日本画も描かれています。

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1834年に京都に生まれた日本画家 望月玉泉の作品に『岩藤熊萩野猪図屏風』もその代表作です。(京都御所の襖絵を描いた玉泉は、京都に画学校を開いたメンバーの一人)

他にも江戸時代、円山派や森派の画題の一つに、臥猪(ふすど)がよく用いられました。

 

このように萩と猪をセットにする事は、画壇や和歌の世界では、一つのパターンとして常識の様になっていたようです。

花札の絵柄を考案した者が、このような風情のある構図を、取り入れたのではないかと想像できます。

確かに、花札の中の猪は、萩の中にうずくまり、身を休めているように感じますよね。

これは、あくまで筆者の感想ですが、皆さんのお考えはどうですか?

hagitoinoshishi2

 

 

 

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シリーズ一覧

花札の謎シリーズ!5月札『杜若に八つ橋』(2013.7.2)

花札の謎シリーズ!7月札『萩に猪』(2013.7.12)

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花札の謎シリーズ!『表菅原』(2013.11.20)

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