2016年03月30日 ニュースブログかるた全般花札

皆さんこんにちは。

広報の藤澤です。

よろしくお願い致します。

 

京都の気温も徐々に温かくなり、温かい日がしばらく続き、また少し寒さが戻りの繰り返し つまり【三寒四温】の日々で、そろそろ本格的に春?てな感じです。

花粉飛散も落ち着き(でもまだ飛んでますけど)、桜も徐々に咲き始めています。

京都も観光に適した良い気候になりつつありますが、皆様のご予定は、如何ですか?

 

桜は、見ごろがありますが、逆に見ごろは、人が多いので、悩ましい処です。

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京都伏見の黄桜カッパカントリーさんには、珍しい黄桜が咲きます。

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それに大倉記念館さん傍の川には、十石船・三十石船などの水面から川縁の桜も楽しめる遊覧スポットもあります。

そんな風情と見どころたっぷりの伏見に、是非お越しくださいませ。

 

 

 

さてさて、久方ぶりの花札の謎シリーズです。

今回は、4月の札『藤に杜鵑(ホトトギス)』です。

花札『藤 4月札』

 

この藤という樹は、大昔の書物『古事記』にも登場し、非常に長命です。

ちなみに地球上で長命といえば アイスランド貝、赤ウニ、ベニクラゲ、カメ、ホッキョククジラ、鯉などの、150年から250年は生きる生物もいます。

しかし、長命な生物の中で、植物にかなう物はいないでしょう。

例えば、 【キソウテンガイ(アフリカ・ナミブ砂漠生息)】1,000年以上生きる植物も存在しますし、【屋久島の縄文杉】に至っては、推定樹齢が7,000年を超える個体もあるそうです。

樹齢7,000年!今から7,000年前って、日本は縄文時代後半ですよ‼

前述したとおり、藤も長命で、藤の薄い青紫色が高貴な色とされてきた事や、着物の女性をイメージさせる繊細さと気品さ合わせ持った優美な花として、多くの日本人に愛されてきました。

しかし、花札の謎シリーズでは、そんな藤と杜鵑が何故組み合される事になったかについて、筆者が勝手にツラツラと書き込んでいきますので、よろしくお願い致します。

 

例にもれず、今までに取り上げてきた花札の植物達同様、非常に実用的な特性を持っています。

 

≪藤の花の特性≫

【根】は、痩せた土地でも良く育ち、食用に用いられてきました。

【瘤】は、胃がんの薬として重用。(へェ~!)

【若芽】 は、ゆでて和え物や炒め物として食べられる。(春に食卓に並ぶ家庭もあるかも)

【花】は、天ぷら・花茶として古くから親しまれる。(戦国時代は、塩をつけて食べてたのかな?)

【実】は、食用(これは普通にありえる)

【蔦】は、籠・布・紙・家具=非常に強く切れないので、古代の石棺を引く綱としても使われたそうです。ヤマトタケルが船の纜(トモヅナ)をつないだとか(そんなに強いの!?)

京都の丹後半島では、明治末期まで 『藤布が作れない女を嫁にもらうな』 とまで言われるほど、日常的に活用されていたようです。

根さえ傷つけなければ、100年200年と長生しますし、樹齢1,200年の古木なんてのもあり、御霊木・御神木と呼ばれ大切にされている個体もあります。

しかし藤は、快適な生育環境だと花を咲かせない為、わざと生育しにくいよう根を切る場合もあるようです。

とにかく【松に鶴】や【菊に盃】のブログでも書きました様に、長命・有用・実用を表すような、良い花なんですね。

 

 

また杜鵑(ホトトギス)にも中国の古いお話があります。

 

むか~しむかし、中国神話の頃のお話。

古代中国に蜀という国があり【杜宇(とう)】、後の【望帝(ぼうてい)】という名前の王様がおりました。

この方、元々は天界の養蚕(カイコ/つまり織物や布などを司る)の神様で、人間界に降臨し王になったのだとか。

王位退位後に修行を積み、ホトトギスとなり(え?なんでよ?)、毎年春が来るたびに鳴くことで、人々に春の訪れを報せたと言います。
(まてまて、わざわざ修行して鳥に変身してまでやる事か?)

田鵑(ホトトギス)の鳴き声を聞き『はっ!あの鳥は、杜宇様の生まれ変わりじゃ~!そうに違いない!!』と言ったか言わなかったか、それからホトトギスの漢字を【杜鵑】と書くようになったという説があります。

 田鵑 杜鵑のほかに 不如帰 時鳥 子規 勧農鳥 杜宇 蜀魂
これ全部 『ホトトギス』

ややこしいわ!

 

卯月(五月)八日は、別名 『花折り節句』ともいい、田畑農産物の神様をお迎えするために、藤などの花を、山から取ってきて竿の先に付け、庭や田に立てたそうです。

この花々のお供えは、神様 が田におりてきた時の『憑代』と考えられており、藤は農民にとって神聖な木として敬われ愛されてきました。

 

また、杜鵑(ホトトギス)も  『勧農鳥』 として農民に重用されてきました。

杜鵑がやって来て鳴く止まり木でもあった藤は、 古来文学や絵画の題材にも杜鵑と対で表現される事が多かったようです。

 

この望帝、天界の養蚕の神であった事に 『ピン!』 と来た方もおられるでしょう。

京都が栄える前、渡来系の人々・秦氏がこの山背の国には住んでおり、養蚕や土木に特化した技術を持って君臨しておりました。

当然、京都以外にも秦氏に連なる親類縁者が居て、花札の絵柄を考えたメンバーにまじり、中国の古代の神・杜宇を敬い、後世に残す為にこの絵柄を採用したのかもしれませんね。

飛躍した考えかもしれませんが皆さんは、如何お感じになりましたか?

それでは。

 

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